調律の必要性
何故、調律が必要なのでしょうか?

前回のブログで弦の数のお話をしました。その弦は常に張力がかかっており、常に緊張した状態となっております。その張力具合で音程の高さなどが決まります。そこで何故、調律が必要なのか説明します。
正しい音程と狂った音程

音程には世界共通の国際ピッチと言われる音程がありまして、世界共通だからこそ、他の楽器と演奏を合わせた場合でも音程が合いまして合奏が出来る訳です。テレビやCDと合わせて弾いて音程が合うのは世界共通の国際ピッチがあるからなんですね。
ピアノは調律師がチューニングハンマー専用工具で弦の張力加減し音程を合わせております。反面、弦の張力の性質上、調律後の正しい音程が永久的に維持出来ないのです。
弾いて(使って)の音程の狂い方
ピアノは鍵盤を叩くと、中でハンマーフェルトと言われる羊毛の塊で弦を叩きます。弾くイコール、無数に弦に衝撃を加えてる訳です。弾いてるうちに、だんだん弦の張力のバランスが崩れて音程が乱れて行くのです。これはピアノの宿命的なもので、弾く量が多かったり、タッチがキツイと早く音程が乱れて来ます。同じ30分使った場合でも、弾く技量にも変わりますし、大人、子供が弾いた場合でも変わります。自動車の様に走行メーターなど、目に見える目安と言うものがありませんので、最低でも年に1~2回の調律が必要になって来るのです。
自然に(使わなくても)狂う
ピアノの弦は1本およそ90kgの張力がかかっており総本数220~230本で、およそ20tの張力がかかっており常に緊張させております。張力の性質上、自然に緩み(音程が下がる)延びてきます。これを定期的(年1~2回)に調律師に依頼し緩みや延びを絞めて音程を上げ合わせています。
わかりやすく例えで説明しますと、パジャマのパンツのゴムなどが良い例だと思います。お腹周りの張力でズレ無いようにゴムを丁度良く調整されてるのが正しい音程だとします。ゴムはお腹周りの張力により、自然と緩み延びて来ますね。皆さん経験あると思いますが、パンツがズレ無いように緩んだゴムを少し引っ張り出し少しくくって、ゴムの張力をお腹周りに丁度良い加減に調整しますね。これが調律(絞める作業)です。張力のかかったゴムも腹周りの張力に絶えずに再度自然に延びて来ます。またズレ無いように再度少し引っ張り出しくくると言う経験ありますよね。
ピアノの弦も同じ事が言え、総本数およそ20tの張力を調律で絞めて自然に延びて調律で絞めて、自然に延びての繰り返しが半永久的に続くのです。
まとめと捕捉

張力と言うものが音程に関係してるのが伝わりましたでしょうか?また張力の性質上や使用頻度で弦が緩み延びる事により、音程が乱れてまいります。それ以外にも、室内の高温、過乾燥でも乱れて来ます。置場所の適温適室も重要になります。弦は金属なので暖かくなると柔らかくなる性質を持ってますので、張力のかかってる弦は余計に延びてきます。
最近は録音などが気軽に出来、WebやSNSに動画や音源を上げれますね。もう聴くに耐え難い狂った音色で弾いてらっしゃる方いっぱい居られます。あと、お教室の紹介プロモーション動画でも、激狂いのピアノ使ってらっしゃる方も居られます。
調律は使用頻度にもよりますが年1~2回は実施されてください。綺麗な音程で弾くと得なこといっぱいあるのです。